「Design Opsとは何か?」
「Design Opsは開発エンジニアやフリーランスエンジニアに影響があるの?」
開発エンジニアやフリーランスエンジニアで、Design Opsというキーワードに注目しているが、具体的にどう影響するかについて不安に思っている方も多いでしょう。
この記事では、Design Opsは何かの解説から、Design Opsが企業・組織、開発エンジニア、フリーランスエンジニアに与える影響について紹介していきます。
開発エンジニアやフリーランスエンジニアでDesign Opsに注目している方はぜひ参考にしてみてください。
1.Design Opsとは
Design Operationsの略称で、デザイナー等のデザイン人材がパフォーマンスを発揮するために、環境や組織を最適化する取り組みのことです。
主に以下のような課題に対する取り組みを意味します。
・デザインチームの成長と進化
・適切なスキルをもつ人材の発掘と採用
・効率的なワークフローの作成
・デザインアウトプットの品質と影響の改善
Design Opsは、元々はデザイン人材を組織的にサポートする形で徐々に定義が確立してきました。以前からデザイナーが多数在籍していたり、デザインチームを持っていたりした企業ならば、これまでも自然と実践してきた内容かもしれません。
しかし、他のエンジニア職と比べても、デザイナーやデザインチームの数は少なく、多くの企業ではデザイン人材のパフォーマンスを発揮する仕組みが確立できていませんでした。一方で、近年はWebサービスやアプリが中心となり、デザインの役割や重要性が非常に高まってきました。このようにデザインの重要性が高まっている中でも、組織・環境・文化・ルールが追い付いていないという現状があります。
Design Opsはこのような課題の解決策になると考えられています。
近年では、サービス開発の部署とは別にデザイン専門部署や専門チームを組織する企業も増えてきています。そのため、デザイン人材がパフォーマンスを発揮できるように、Design Opsを導入する企業が増えてきています。
2.Design Opsが企業・組織に与える影響とは
Design Opsが導入されると企業や組織にはどのような影響が出てくるのでしょうか。Design Opsを導入すると変化する影響について、いくつか紹介していきます。
①デザイナーはデザインに専念
当たり前のことなのですが、企業や組織内でデザイナーの立場が確立できていない場合、
デザイナーがデザイン以外の仕事も兼務することが多くあります。
他の仕事を兼務させることは、長期的に見れば、デザイナーの仕事の質を下げる原因になり兼ねません。
Design Opsでは、デザイナーはデザインに専念するという基本概念になっています。
②効率的なデザイン作成のツール利用
デザイン作成時に利用するソフトウェアやツールは、他のソフトウェアと比較しても一般的に普及していないため、
企業内で利用することが許可されないケースもあります。
ゼロから時間をかけてプロトタイプを作成するよりも、既に作成されたサンプルコードを利用して
デザイン案を検討していく方がより早く作業が進みます。
そのため、DesignOpsに関連するソフトウェア、ツールの利用許可が重要となってきます。
③チーム連携の定例化
一般的なシステム開発で、デザイナーと開発チームが継続的に定例を開催していることは少ないでしょう。
但し、システム開発が進む中で見えてきた課題や懸念点は常にデザイナーにも共有されるべき情報であり、
デザイナーはそれらの情報からUIデザインの修正等を早くおこなうことが可能となります。
デザイナーと開発チームの継続的なミーティングも必要な要素となってきます。
④デザイナーの人材育成の仕組み
企業内でデザイナーのキャリアパスを明確化し、昇給・昇進の基準を定義する必要があります。また、若手の人材育成についてもどのような教育メニューを実施していくか等を取り決める必要があります。
人材育成やキャリアパスが明確化してはじめて、他のエンジニア職と同じようにパフォーマンスを発揮できる環境になると言えるでしょう。
3.Design Opsが開発エンジニアに与える影響とは
ここまで説明した通り、Design Opsはデザイナー等のデザイン人材がパフォーマンスを発揮するために、環境や組織を最適化する取り組みのことです。そのため、デザイナーの周りの環境に与える影響が一番大きいです。
では、開発エンジニアには全く影響は無いのでしょうか?
結論から言うと、開発エンジニアにも影響があります。特にプロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)、Web系フロントエンドの開発エンジニアには大きく影響するでしょう。
一番大きな影響はデザイナーとの連携方法が変わってきます。Web画面のデザインの際だけではなく、システム開発の工程全てでデザイナーと情報共有しながら作業を進める必要が出てきます。
そのため、開発エンジニアも、システム開発の工程でデザイナーと連携しながら進める必要があることをきちんと認識しておきましょう。
4.Design Opsがフリーランスエンジニアに与える影響とは
Design Opsがフリーランスエンジニアに直接的に与える影響は特にありません。また、Design Opsに特化した案件は、現状はまだほとんどありません。
しかし、大手企業の案件ではDesign Opsを導入したシステム開発が始まっています。そのため、フリーランスエンジニアもDesign Opsについて理解しておいた方が良いと言えるでしょう。
5.Design Ops導入における注意点
日本国内でもデザインの重要性の高まりから、デザインの内製化が徐々に進んでいます。しかし、現状はまだ小規模な組織への導入がほとんどです。
小規模な組織への導入であっても、Design Opsを導入することで、デザイナーなどのデザイン人材のサポートとなり、デザイナーが仕事に集中しやすくなることは間違いありません。但し、小規模な組織への導入では少し注意が必要です。
小規模な組織への導入から開始すると、Design Opsの適用範囲や効果も小規模となります。また、小規模な導入をおこなうと、導入した効果を判断する際も限られたアウトプットなどで評価することとなってしまいます。そのため、正しい評価が行われず、効果が無いと見なされてしまう場合もあります。
小規模な組織へ無理にDesign Opsを導入するよりも、デザイン人材やデザイン組織がある程度の規模に育ってからDesign Opsを導入した方が効果的なケースが多いため、Design Opsを導入するタイミングは重要です。
まとめ
Design Opsとは何かの紹介から、Design Opsが企業・組織、開発エンジニア、フリーランスエンジニアに与える影響について紹介してきましたが、いかがでしょうか。
Design Opsの注目度は高まってきており、積極的に導入する企業も増えてきています。
Design Opsを理解して、Design Ops導入後のシステム開発が円滑に進められるように準備しておくことをおすすめします。