画像生成AIは、テキストで指示を与えるだけで、自動的に画像やイラストを作成するソフトウェアです。

2022年6月にリリースされた「Midjourney」が画像生成AIブームの始まりと言われており、それ以降さまざまな画像生成AIのサービスが登場し注目を浴びています。

画像生成AIはわずか数秒~数十秒で全く新しい画像を生成することができるため、デザイン業界をはじめ、多くのクリエイティブ業界で業務のサポートや新しいアイデアの創出に活用されています。

本記事では、画像生成AIを最大限に活用するために、その仕組みやメリット・デメリット、また商用利用に関して解説します。

画像生成AIの仕組み

画像生成AIの処理は、サービスによって異なりますが、大きく以下の流れで行われます。

1.入力されたテキストを分析

2.学習データから画像の特徴を検索

3.本物の画像と比較して精度を上げる

これらの処理には、さまざまなAIモデルが使われていますが、「ディープラーニング」という技術が基盤となっています。

画像生成AIで使われている主な技術を解説します。

VAE

VAE(変分オートエンコーダ)は、画像生成AIの一つの技術です。

エンコーダとデコーダの2つで成り立っています。

エンコーダ

入力画像を簡単な情報(通常は数値のリスト)に変換します。

デコーダ

その簡単な情報から元の画像を再構築(生成)します。

VAEの特徴は、エンコーダが画像を変換する際に「確率的」に情報を作る点です。

これにより、多様な画像生成や、新しい特徴を持つ画像の生成が可能になります。

VAEは画像をシンプルな情報に変換し、その情報から新しい画像を生成する技術です。

ニューラルネットワーク

ニューラルネットワークは、人の脳の働きを模倣した計算モデルです。

画像やデータを入力すると、中で情報の処理が行われ、最終的に新しい画像や結果を出力します。

学習することで、徐々により良い結果を出せるようになり、画像生成AIでは、このモデルを用いて新しい画像を作り出します。

GAN(Generative Adversarial Networks)

GANは、2つのニューラルネットワークを競わせることで、新しいデータ(例:画像)を生成する技術です。

生成ネットワーク

新しい画像を作り出す役割です。

識別ネットワーク

生成された画像が本物か偽物かを判断する役割です。

生成ネットワークはより本物っぽい画像を作ろうとし、識別ネットワークはそれを見破ろうとします。

この競争を繰り返すことで、高品質な画像を生成する能力が向上します。

GANのような技術を用いることで、非常にリアルな画像を生成することが可能になっています。

画像生成AIのメリット・デメリット

画像生成AIにより、クリエイティブ業界を加速させることが期待されますが、どのようなメリットやデメリットがあるのか説明します。

これらのメリットとデメリットを踏まえ、具体的な用途や目的に応じて画像生成AIの利用を検討することが大切です。

画像生成AIのメリット

生産性向上

手作業でデザインやイラストを作成するよりも迅速で高品質な画像を生成することが可能です。

大量生産

画像生成AIに渡す入力値を少し変えるだけでNFTのように大量の画像バリエーションを作成することができます。

コスト削減

プロのデザイナーやイラストレーターを雇うよりもコストが低くなる場合があります。

新しいアイディアの創出

人間には思いつかないクリエイティブな画像が生成されることがあり、新しいアイディアやインスピレーションを得られる可能性があります。

画像生成AIのデメリット

品質にばらつきがある

同じ入力値であっても同じ画像が生成されるとはかぎらず、常に一定の品質を保証するのは難しい場合があります。

複雑な要求を含む画像

イラストの中に企業のロゴや漢字を含めるなど、複雑な要求に対応するのは難しい場合があります。

倫理的問題

既存の作品をコピーして新しいものとして生成するため、プライバシーや権利などの倫理的価値に影響を与えることが懸念されます。

画像生成AIで作った画像の商用利用

AIによる画像生成に関して、サービスを提供する企業はほとんどの場合、著作権を主張せず、ユーザーが自由に利用できるとしています。

日本著作権法には、AIソフトウェア生成のための著作物利用(データ複製や翻案)が、著作権者の承諾なしに行えるとの権利制限規定があります。

これは、平成30年改正著作権法で追加された著作権法30条の4第2号によるものです。

この規定は「情報解析」の範囲内での著作物利用を認めており、AIソフトウェアの開発もこれに該当します。

そのため、AIの開発のための著作物の収集、複製、改変、学習用データセットの生成と提供などが許容されていると考えられます。

しかし、商用利用が認められていない画像を学習データとして読み込ませてしまったり、サービスが提供していない追加学習をさせた場合は、著作権を侵害するとして商用利用が認められない可能性があります。

おすすめ画像生成AIアプリ

Midjourney(ミッドジャーニー)

Midjourneyは、2022年7月にスタートした革新的なAIサービスで、ユーザーが入力したテキストから画像を生成します。

このサービスでは、プロンプトと呼ばれる特定の決まり文句を使うことで、ユーザーの意図した内容に基づいた画像を簡単に作成することが可能です。

MidjourneyはコミュニケーションアプリのDiscordと統合されており、メッセージに生成したい画像のイメージをテキストで入力することで容易に画像生成することができます。

Discordは13歳以上のユーザーは誰でも、料金を気にすることなくこのサービスを無料で利用できます。

そして、無料でありながら、わずか数十秒〜数分程度で高品質な画像を生成することができる点が大きな利点です。

Midjourneyは他の画像生成AIサービスとは一歩進んでおり、生成された画像の解像度を上げる機能や、既存の画像に似た新しい画像を生成する能力など、多岐にわたる高度な機能を持っています。

なお、無料プランはSNSに投稿するなど非営利なことは可能としていますが、商用利用は有料プランを契約する必要があります。

Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)

Stable Diffusionも、ユーザーが指定したテキストに基づいて、望む画像を生成する高度なAIサービスで、Midjourneyと同時期に公開されました。

このサービスの特徴的な機能として「ControlNet」というものが存在し、これを利用することで、生成された画像のテイストを変えたり、キャラクターのポーズを変えるといった細かな設定が非常に容易に行えます。

このような多機能性があるにも関わらず無料で使いやすいため、多くのユーザーからの人気を集めています。

また、Stable Diffusionのもう一つの特長として、生成された画像に対する著作権を一切主張しないという方針があります。

これにより、ユーザーは生成された画像を資料や記事、その他のメディアなど商用利用を含めて自由に使用することが可能です。

まとめ

2022年頃から画像生成AIをはじめ、文章生成の「ChatGPT」や著作権フリーのBGM生成AIなど、AIの用途が拡大しています。

画像生成AIは、ディープラーニング技術を活用し、膨大な量の画像データを学習することで機能します。

多くの画像生成AIサービスが公開されており、それぞれ独自の特徴や強みがあり、使用する目的や状況に合わせて、これらのAIを適切に使い分けることが非常に重要です。

特にゲームやクリエイティブ分野での利用が増えており、法整備やアプリの進化が進めば、今後さらなる普及が期待できるでしょう。

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