「メタバースという言葉を聞いたことがあるけど、どういう意味?」

「メタバースが普及してくると思うけれど、フリーランスエンジニアに影響あるの?」

フリーランスエンジニアで、メタバースというキーワードに注目しているが、具体的にどうすれば良いのかについて悩んでいる方も多いでしょう。   

メタバースに関するニュースがほぼ毎日あるくらい、一番注目されているIT分野と言って間違いありません。IT以外の大企業もメタバースに参入する発表が多くされており、今後もさらにメタバースへの期待は高まっていくと見込まれます。

フリーランスエンジニアで、メタバースというキーワードに注目している方は、ぜひ本格的なメタバース時代が到来する前にメタバースに対するスキルを身に付けて、準備しておくことをおすすめします。

この記事では、メタバースとは何かの解説からメタバースで有利となるスキル、フリーランスエンジニアがメタバース時代に備えて準備しておいた方が良い理由紹介していきます。

フリーランスエンジニアでメタバースに注目している方はぜひ参考にしてみてください。

1.メタバースとは

メタバースとは一言で言うと、「インターネット上に作られた仮想空間」のことです。

1992年に「スノウ・クラッシュ」という小説の中で初めて登場した用語で、「Meta(超)」と「Universe(宇宙)」という言葉を組み合わせて作られた造語です。

新しい用語のため、明確な定義はまだ決まっていませんが、現在ではVRを利用した3D仮想空間のことをメタバースと表現することが多いです。自分の分身となるアバター(キャラクター)を介して、インターネット上で他の人達とコミュニケーションを取ることができます。一番普及しているのがゲームの世界で、「Minecraft(マインクラフト)」、「フォートナイト(Fortnite)」、「Apex Legends(エーペックスレジェンズ)」などの人気ゲームがメタバースの定義に近い形となります。また、少し前に圧倒的な人気を集めた「あつまれどうぶつの森」もメタバースの1つです。

元Facebook社が会社名をMeta社に変更したこともメタバースという用語を有名にしたことに影響しているでしょう。Microsoft社や他の大企業もメタバースの開発に莫大な費用を投じており、メタバース時代が本格化すると言われています。

メタバースの仮想空間では、現実世界と同じように土地を買ったり、家を建てたり、アバターに着せる洋服を買ったり、イベントを開催したりできます。つまり、メタバースはIT業界だけに留まらず、IT以外の企業にも大きなビジネスチャンスとなります。そのため、多くの企業や投資家が注目しており、その注目度は今後もさらに高まってくると見込まれます。

2.既に始まっているメタバースは?

現在、既にメタバースが活用されている分野がいくつかあります。

まず1つ目は、先程の説明でもありました通り、オンラインゲームの世界でメタバースが活用されています。最近では、eスポーツの人気も高まっており、今後も期待が高まります。オンラインゲームの中で音楽ライブの開催なども行われており、実際にフォートナイトというゲームの中で行われた音楽ライブでは、世界中から1230万人が参加した音楽ライブが開催され、話題となりました。オンラインゲームとメタバースは一番相性が良い分野であると言えるでしょう。

2つ目は、ビジネスプラットフォームです。老舗の百貨店である三越伊勢丹が、アプリ(REV WORLDS)を使用して利用できる「バーチャル伊勢丹新宿店」のサービスを開始しています。アプリ内の仮想空間では、周りの景色も含めて新宿伊勢丹本店が再現されており、実際に店舗に足を運んだ時と同じように買い物を行う事ができます。アバターを介して、店員さんとコミュニケーションを取ることも可能です。このようなサービスが広まると、世界中のどこのお店でも、自宅に居ながらショッピングを楽しむことが可能となります。

3つ目は、NFTです。直接的なメタバースの世界とは異なりますが、メタバースにとって、NFTの技術は必要不可欠となります。NFTとは「非代替性トークン」と呼ばれ、ブロックチェーンの仕組みを利用した、コピーされないデータであるデジタル資産のことです。これまで、音楽やアートの世界ではコピーによる複製を完全に防ぐことは難しく、実際に偽物なども普及していました。NFTでは、ブロックチェーン上で、音楽やアートの所有者を明確にすることが可能なため、コピーによる複製を防ぐことが可能となります。メタバースの世界で、「物のやり取り=データのやり取り」は、NFTによる信頼性がベースとなって実現されています。

3.メタバース関連のエンジニア職種

では、メタバースが普及すると、どのようなエンジニア職種にメリットが発生するのでしょうか。メタバース普及によって需要が高まることが予想されるエンジニア職種を紹介していきます。

①   デザイナー、CGクリエイター

まず一番イメージしやすいのが、デザイナーやCGクリエイターだと思います。メタバースの仮想空間やアバターのデザインなどで、デザイナーやCGクリエイターは活躍が期待されるエンジニア職種です。

②   ゲーム開発エンジニア

メタバースの概念は、オンラインゲームに非常に近い形となります。そのため、ゲーム開発エンジニアのスキルは、メタバースの世界で非常に活躍が期待されます。

③   スマホアプリエンジニア

メタバースを一般的に普及させるには、スマホアプリでメタバースのサービスが簡易的に利用できることが必要不可欠です。そのため、スマホアプリエンジニアの仕事は今後も需要が高まってくるでしょう。

④   サーバ開発エンジニア

メタバースのプラットフォームを運営するためには、大量のデータや同時接続ユーザ数を管理できるサーバ開発と管理が非常に大切です。そのため、メタバース関連の仕事で、サーバ開発エンジニアの需要は高いと言えます。

⑤   インフラエンジニア、セキュリティエンジニア

サーバ開発エンジニアと同じく、大量の同時接続ユーザ数を管理して、サーバダウンしないサービスを運営していくためには、インフラエンジニアの仕事は大切です。また、大量のデータを扱うため、セキュリティエンジニアの必要性も非常に重要となってきます。

4.メタバースで有利となる開発言語スキル

メタバースで有利となる開発言語スキルはどのようなものなのでしょうか。メタバースで多く利用される開発言語や開発に必要なスキルを5つ紹介していきます。

1.   Solidity

Solidity(ソリディティー)は、イーサリアム等のブロックチェーン上で動作するプログラムを作成して、サービスを実装する際に多く利用される開発言語です。スマートコントラクトと呼ばれる仕組みを利用したサービスは、メタバースでも多く開発されていますので、スマートコントラクト専用の開発言語であるSolidityは必要なスキルになってくるでしょう。

2.  Unity

Unity(ユニティー)はゲームの開発で非常に多く利用されているゲームエンジンです。3Dゲーム開発を手軽におこなえるため、人気があります。Unityを使って、ゲームを開発できるエンジニアは需要が高くなることが予想されますので、これまで経験が無い人でも、Unityに触れて開発をしてみると良いでしょう。

3.  Unreal Engine

Unreal Engine(アンリアル エンジン)も、Unityと同じく、ゲームエンジニアのひとつです。Unityと同じく人気が高いゲームエンジンです。ゲームだけではなく建築や車の設計、映画やアニメ、動画コンテンツや番組制作などでも利用され、Unityよりも汎用性が高いという特徴があります。

4.  C++

C++は、多く利用されていたC言語の機能を拡張させたプログラム開発言語のひとつです。ゲーム開発の中でも利用されることが多い開発言語です。また、Webアプリケーションの開発でも利用されるため、C++で開発がおこなえるエンジニアは、メタバースの案件では需要が高いです。

5.  Java

C++と比較すると、メタバースの開発の中では重要性は少し下がりますが、メタバースに関連したスマホアプリ開発やWebサービスの開発のため、Java開発エンジニアの募集もあります。

5.フリーランスエンジニアがメタバース時代に備えて準備しておいた方が良い理由

これまで説明した通り、メタバースには、IT業界以外の大企業も力を入れて、多数参画してきています。そのため、メタバースに関連した仕事は今後も増えてくることが見込まれます。フリーランスエンジニアとして、安定的に仕事を受けて活躍するためには、メタバースに取り組むことは重要な要素となってくるでしょう。

また、メタバースに関連したエンジニアの年収について、海外では平均で1,500万円となっています。日本では、600万円~1200万円の間での募集が多いですが、今後の普及に合わせて、海外のように年収も高くなってくる可能性が高いです。よって、フリーランスエンジニアとして高単価の案件を獲得できる可能性が高まってきます。

より価値の高いフリーランスエンジニアとして活躍するためにも、メタバース時代が本格化する前に、少しでも早くからメタバースに必要なスキルを身に付けて、準備しておくことをおすすめします。

まとめ

メタバースとは何かの解説からメタバースで有利となるスキル、フリーランスエンジニアがメタバース時代に備えて準備しておいた方が良い理由まで紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

メタバースは今後も注目されている分野であり、メタバースに関連した仕事が増えてくることが見込まれます。少しでも早くメタバースの開発案件を経験しておくとエンジニアにとって、非常に有利になってくると言えるでしょう。

今よりもさらに価値の高いフリーランスエンジニアを目指す場合、ぜひメタバース時代に備えて準備を行い、メタバースの案件に挑戦してみることをおすすめします。