コロナ禍によりテレワークでの仕事が多くなった今、IT業界ではテレワークを前提とした業務推進や業務効率化に注目が集まっています。各業界でも前向きな姿勢を見せつつも、テレワークによる弊害がないとは言えないのが現実です。特にコミュニケーションミスやテレワーク環境が整わないことからくるストレスは、誰しもが経験しているかもしれません。テレワークが導入されたことによって、上手くパフォーマンスが発揮できず、契約が継続できなかったフリーランスエンジニアの方を何名も見てきました。
本記事では、「テレワークと上手く付き合う方法」をインタビュー形式で紐解いていくことで、これからテレワークを開始するエンジニアの方はもちろん、既に導入済みの方にも参考にしていただければと思います。
今回インタビューにご協力いただいたのは、弊社開発案件で長くご支援頂いているエンジニアの河中泰さん(仮名)です。
■プロフィール
氏名:河中泰(仮名)31歳男性
大学:国立大 経営学部
職務経歴:ベンチャーSIにて外食産業のプロジェクトに2年ほどエンジニアとして従事。その後、流通系、金融系等のシステムの構築に携わる。2016年からフリーランスへ転身。現在は不動産企業のシステム構築プロジェクトにエンジニアとして従事する。
参画から業務のキャッチアップまで
いつもお世話になっています。本日は宜しくお願い致します!
河中さんは、弊社にご支援いただいて長いですがフリーランスエンジニアとして今回テレワークは初めてでしたよね。
今回、河内さんにはテレワークと上手く付き合う方法について伺いたいと思います。
まずは、率直にテレワークが導入されると聞いていかがでしたか?
佐々木さん、いつもお世話になってます。
方法についてのインタビュー了解しました。
そうですね、戸惑いがありつつも嬉しかったというのが正直な感想です。私は妻子がいるので、今回のコロナの影響で収入がなくなっても自粛するべきか、仕事を優先して収入を守るかとても悩みました。フリーランスエンジニアは国に守られていないのでリスク前提で働いていますから、今回のコロナ禍でとても不安でした。
ただ、BTCさんではテレワークを導入したということでその不安も解消されたので助かりました。
確かにその判断は、とても難しいですね。もし私もフリーランスエンジニアならどうするか考えても答えは直ぐに出せないと思います。実際にテレワークを始めて、導入当初上手くいきましたか?
私の場合、BTCさんとはお付き合い長いですが今回の案件に関しては初めてお手伝いする内容だったので、実際やり取りする社員さんとは初めましての状態でした。
なのでフラットに話をすれば、初めてお会いする社員さんとの顔合わせがWeb上なので少し遠い感じがするというか、場合によっては顔も写さないこともありやりづらさは感じました。いつもは口頭15-20分程度で済んでいた会話も文章で読みこむ必要があったのでストレスもあったと思います。細かいニュアンスがわからないところも一回一回メールやチャットはスピード感に欠けますし、かといってWeb会議も今から行けます?という感じでセッティングした経験がないので抵抗もありました。
そうだったのですね。河中さんの場合はそういったストレスをどういった方法で解消したのでしょうか。
まずは「積極的に会話の機会を伺う」という方法を試しました。できればWeb会議で顔を合わせてお互いの表情を確認するのは大事だと思いますし、お互いに信頼を構築できればカメラオフでも良好なコミュニケーションが取れると思います。難しければ電話でもして、依頼いただいた件について細かいですがニュアンスに間違いがないか確認し、避けられるミスは避けるように心がけました。
なるほど、、、! 業務のキャッチアップまでどのような方法でどれくらいかかりましたか?
だいたい1週間ほどだったと思います。
BTCさんではVPN接続が可能だったので作業自体に何か不便なことはありませんでした。ただ、機能がどういった背景で実装されたのかを知らなかったのでそこは細かく聞きながら理解を深めていきました。社員さんの時間をもらうことになるのですが最初の1週間だけと割り切って、気を使い過ぎず積極的に聞いていったのは思い返してみればよかったと思います。
常駐時代もそうですが立ち上がりを早くすることはフリーランスエンジニアにとって非常に大事なことです。
テレワークのメリット・デメリット。プライベートとの両立は人を選ぶ。
テレワークを上手く利用できている河中さんですが、テレワークの良い所は何でしょうか。
テレワークのメリットは、時間的余裕が増えることだと思います。場所にもよりますが、1日1~2時間かかっていた移動時間がなくなるのはとても大きいです。
その時間できなかったことができるわけですから、例えば子供と遊んだり朝から走ってみたり色々なことにトライアルしています。
もちろん業務面でもメリットは多いと思います。これまで打ち合わせが入るたびに、会議室の空きを調べて確保する等、割と面倒でした。たまに起こるディスプレイの接続不良なんかも心配の必要がありませんし、席数も気にしなくていいですからね。
また、契約内容によりますがフリーランスエンジニアということもあり、副業的に業務の掛け持ちもやりやすくなったと思います。
以前、複数契約をしていたことがあったのですが、プライベートとの両立ができず辞めてしまいました。ただ、リモート前提であれば時間的な余裕もできるので、方法次第では、十分可能だと思います。
疲れますけどね(笑)
言われてみれば、そうですね!
私も妻に任せていた子供の送り迎えも手伝えるようになりましたよ。
確かに複数掛け持ちもできるようになりそうです。
逆にデメリットは何だとおもいますか?
メリットと少し矛盾するかもしれませんが、プライベートの両立は人によっては難しいかもしれません。常駐での仕事は終電などにより、タイムリミットがありますがテレワークでは良くも悪くも仕事が出来てしまう環境なので、セルフマネジメントがより重要になってくると思います。日の作業時間やタスクを決めて働くことが両立の鍵になると思います。また、仕事もプライベートも同じ空間(部屋)なので、気持ちの切替えをしっかりすることも重要ですね。
ただ、ここらへんはフリーランスエンジニアとして当たり前に備えるべきこと思っています。これもできずにプロは名乗れませんからね。
業務面では、特にWeb会議では顔色を伺って話すということがしづらくなるので、自分が話していいタイミングがわかりません。よくタイミングが被ることが増えた気がします。
なので、主にディスカッションの多い会議では画面に映すことも必要ではないでしょうか。
最後に、外に出る機会がかなり減ったので、精神的なストレスが溜まりました。
なので早朝や夜、お昼休憩を使って気晴らしに散歩に行くことにしています。いまはどのお店もソーシャルディスタンスを意識してくれていますから、カフェでコーヒーを飲むのもストレス発散になります。
ついつい気になって夜中にPCを開いたり、私もしてしまいます、、、 勤務時間が長くなったと思う方も多いみたいです。気を付けないといけないですね!
これからテレワークと付き合う上で気を付けたいこと
最後にこれからテレワークを始める方へ気を付けた方が良い事を教えて頂けますか?
テレワークに限らず、Webで打合せをする時ですが、相手の話に被せて話をしてしまうことがよく起こります。現場によってはルールが設けられているので、まずは確認をすると良いと思います。ルールがあるか、ないかでかなり意思疎通に差が出ます。細かい事ですが大事な事だと痛感しています。
あとは、PCですね。オフィスに常駐している時はオフィス外に持ち出す事がないので、あまり気を付けることはありませんでしたが、テレワーク時はPCの取扱いには注意が必要です。特にエンドユーザーの機密情報などにアクセスできる場合はより一層注意が必要です。基本的に自宅以外での使用は禁止されているので、間違ってもカフェなど外での使用はしないように。
自宅のネット環境も改めて確認した方が良いですね。セキュリティ面もそうですが、通信速度なども重要です。リモート用のツールやWeb会議に耐えられないと仕事になりません。
最後に、当たり前の事ですが、物理的にPCが破損しないように。作業になりませんからね。
特に中小企業上がりのフリーランスエンジニアは、セキュリティ面をあまり気にしない方が多いようですが、フリーランスになると訴訟沙汰になる可能性もあるので気にするべきですね。
テレワークとの付き合い方にはリスクもあります。
河中さん、本日は貴重なお話ありがとうございました!
まとめ:今回のインタビューで学んだテレワークとの付き合い方
今回インタビューを実施させていただいた河中さんはフリーランス歴15年とプロフェッショナルなエンジニアです。そんな河中さんのインタビューを通して、テレワークと上手く付き合う方法を見つけられたと思います。
リストにまとめたので現在の自分と照らし合わせてみてください。
□ Web会議では顔を映して意思疎通をはかる。
□ テレワークは特にセキュリティを意識する。
□ セルフマネジメント力が鍵。
□ テレワークだからこそ細かいコミュニケーションを怠らない。
□ ストレスフリーを意識して、たまには気晴らしを
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