フリーランスという働き方は、自分のスキルや時間を活用して、自由に仕事を選べるというメリットがあります。しかし、フリーランスは労働者としての保護が十分に受けられないというデメリットもあります。

そこで、政府はフリーランスの働き方を支援するために、フリーランス新法と呼ばれる法案を提出しました。この法案は、フリーランスと発注者の契約に関するガイドラインを定めることで、フリーランスの権利を守ることを目的としています。

では、このフリーランス新法はいつから施行されるのでしょうか?また、フリーランス新法の目的や対象、ガイドラインはどのようなものなのでしょうか?この記事では、フリーランス新法についてわかりやすく解説します。

フリーランス新法とは?

フリーランス新法の施行時期

フリーランス新法は、2023年6月に国会に提出された法案です。この法案は、2024年4月の参院本会議で可決・成立し、施行日は未定ですが、2024年秋頃の施行されると予想されています。

フリーランス新法の目的

フリーランス新法の目的は、フリーランスと発注者の契約に関するガイドラインを定めることで、フリーランスの権利を守ることです。

現在、フリーランスと発注者の契約は、個別に自由に決められることが多く、契約書も作成されないことが多いです。そのため、フリーランスは発注者から不当な要求や支払い遅延などのトラブルに遭うことがあります。

また、フリーランスは労働基準法や労働者派遣法などの労働法制の保護を受けられないため、労働時間や休日、社会保険などの待遇についても不安定です。

フリーランス新法は、このようなフリーランスの不利益を解消するために、フリーランスと発注者の契約に最低限守らなければならないルールを設けることを目指しています。

フリーランス新法の対象

フリーランス新法の対象は、フリーランスと発注者の間に成立する契約です。フリーランス新法では、フリーランスを「特定受託事業者」と定義しており、自分のスキルや時間を活用して、自由に仕事を選ぶ個人事業主のことです。

発注者とは、フリーランス新法では「特定業務委託事業者」と呼び、フリーランスに対して仕事の依頼や指示をする法人や個人のことです。

フリーランス新法は、フリーランスと発注者の契約に関するガイドラインを定めることで、フリーランスの権利を守ることを目的としています。

フリーランス新法のガイドライン

フリーランス新法のガイドラインは、フリーランスと発注者の契約に関して大きく以下の5つの項目を定めています。

  1. フリーランスと発注者の間には、契約書を作成し、内容を明確にすることが義務付けられます。契約書には、業務の内容、期間、報酬、支払い方法、納品物の検収基準、解約条件などが記載されるべきです。契約書は、書面やメールなどで交わすことができます。
  2. フリーランスの報酬は、業務の完了後に速やかに支払われることが求められます。支払いの遅延があった場合は、遅延利息を請求することができます。報酬の支払い期日は、発注者がフリーランスから物品や成果物を受け取った日から数えて60日以内とすることが原則です。
  3. フリーランスは、発注者からの不当な要求や圧力に対して、拒否する権利を持ちます。例えば、契約外の業務の追加や変更、納期の短縮、報酬の減額などです。また、フリーランスは、発注者からの不当な解約や契約不履行に対して、損害賠償を請求することができます。
  4. フリーランスは、発注者からの不当な評価や差別に対して、是正措置を求めることができます。また、フリーランスは、発注者からのハラスメントに対して、相談や苦情の受付を行う専門機関に相談することができます。
  5. フリーランスは、発注者とのトラブルや相談に対応する専門機関に相談することができます。専門機関は、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省などの関係省庁が設置する予定です。

フリーランス新法は、フリーランスの働き方をより安心で安全にするための法律です。フリーランスと発注者の双方が、この法律の内容を理解し、遵守することが重要です。

フリーランス新法と下請法との違い

フリーランス新法は、フリーランスと発注者の契約に関するガイドラインを定める法案ですが、これは既存の下請法とはどのように違うのでしょうか?

下請法とは、下請け業者と元請け業者の契約に関する法律です。下請法は、下請け業者の権利を守るために、元請け業者に対して、報酬の支払いや契約の変更などに関するルールを定めています。

下請法は、フリーランスと発注者の契約にも適用される場合がありますが、以下のような問題点があります。

対象が限定的

下請法は、下請け業者と元請け業者の間に成立する契約にしか適用されません。つまり、フリーランスが直接発注者と契約する場合や、フリーランスが複数の発注者と契約する場合は、下請法の保護を受けられない可能性があります。

内容が不十分

下請法は、報酬の支払いや契約の変更などに関するルールを定めていますが、労働時間や休日、情報の開示や相談などに関するルールは定めていません。また、下請法は、契約書の作成を義務付けていません。そのため、フリーランスは、発注者から不当な要求やトラブルに遭うことがあります。

違反の罰則が弱い

下請法は、元請け業者が下請け業者に対して不当な行為をした場合、行政処分や民事訴訟の対象となります。しかし、下請法には、元請け業者に対する罰則は定められていません。そのため、元請け業者は、下請法を無視することができます。

フリーランス新法は、これらの下請法の問題点を解決するために、フリーランスと発注者の契約に関するガイドラインを定めることを目指しています。フリーランス新法は、下請法とは異なり、以下のような特徴があります。

  • 対象が広範囲:フリーランス新法は、フリーランスと発注者の間に成立する契約に適用されます。つまり、フリーランスが直接発注者と契約する場合や、フリーランスが複数の発注者と契約する場合も、フリーランス新法の保護を受けられます。
  • 内容が充実:フリーランス新法は、報酬の支払いや契約の変更などに関するルールだけでなく、労働時間や休日、情報の開示や相談などに関するルールも定めています。また、フリーランス新法は、契約書の作成を義務付けています。そのため、フリーランスは、発注者から不当な要求やトラブルに遭うことが少なくなります。
  • 違反の罰則が強化:フリーランス新法は、発注者がフリーランスに対して不当な行為をした場合、行政処分や民事訴訟の対象となるだけでなく、罰金や損害賠償の対象となります。そのため、発注者は、フリーランス新法を無視することができません。

まとめ

この記事では、フリーランス新法についてわかりやすく解説しました。フリーランス新法は、フリーランスと発注者の契約に関するガイドラインを定めることで、フリーランスの権利を守ることを目的としています。

フリーランス新法が施行されれば、フリーランスは、発注者との契約において、より安心して仕事をすることができるでしょう。フリーランス新法は、フリーランスの方にとって、大きなチャンスとなるかもしれません。

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