「今はSEだけど、今後PMOへキャリアアップしたい」とフリーランス様からご相談いただくことが多くあります。
本記事では、そんなキャリアアップ志向のフリーランスエンジニア向けに、どうすればPMOへなれるのか必要なスキルご紹介させていただきます。
本記事をご覧いただければ、きっとあなたのキャリアアップに役立つでしょう。

チームの関係性や役割を理解した状況把握力

まず初めに、PMOとSEのギャップとは何でしょうか。
SE(メンバー)はリーダーに与えられたタスクを期限内にこなすことが求められ、基本的には所属するチーム内で仕事が完結しています。
一方PMOは各チームのメンバーやリーダーと頻繁にコミュニケーションを取ることになります。更に各チームの状況をヒアリングするだけでなく、その遅延が後続のスケジュールにどのような影響を与えるのか、そのためにどのような対策をしている・する必要があるのかまでPMに報告できるようにするために、各チームの作業内容をおおまかに把握しておく必要があります。
つまり、PMOはSEより多くのプロジェクトにおける情報をインプットまたアウトプットする必要がある役職ということになります。
今エンジニアの方は、自分の業務がプロジェクト全体の進捗や成果にどの程度影響するのか、しっかり把握しておきましょう。余裕があれば誰が何をしているのかも理解できれば、プロジェクト全体を把握する能力は自ずと磨かれていきます。

きめ細やかなコミュニケーション力でチームのお尻を叩く

特にPMOに求められる能力は「きめ細やかなコミュニケーション力」です。
PMOはプロジェクトメンバーほぼ全員と会話をする必要があります。もちろん規模によりますが、少なくとも10-20名程度とのコミュニケーションを毎日行います。特に各チームリーダーからはチームの進捗状況の細かなヒアリングが必要で、自分から話に行かなければいけません。
この自分から進捗を聞きに行くというのは、PMOにおいては非常に肝になる能力で、報告待ちになるとおおよそ進捗管理は成り立ちません(ほぼ確実に炎上します)。
SE時代に培った開発知識(設計やプログラミング等)を活かしつつ、細かいところまで各チームの進捗状況を確認しPMへ報告しなければいけない為、きめ細やかなコミュニケーション力も必要とされます。
それくらいどうにかなるでしょと楽観的に考える方もいますが、一方的に状況を聞いたところで本当のリスクや影響を見極めることはできないため、まずは自分で確認できることは事前に調べた上で、認識があっているかをヒアリングする必要があります。また、信頼関係がなければ抱えている課題やリスクについて詳しい説明はしてくれない為、普段のさりげない会話も心がけなければいけません。
エンジニア時代にもこのきめ細やかなコミュニケーションを意識しましょう。エンジニアポジションだと話す内容や対象は違いますが、PMOまたはリーダーとの会話でプロジェクト全体の状況を何気ない会話の中で聞き出すのも大事です。
こういった5分程度の会話を手間と考えてしない方とする方では、今後のキャリアに大きな違いが出てきます。
もちろんエンジニアのままでいたい方、プログラミングが好きでずっとやっていたい方については意識しなくても良いかもしれませんが、そういったコミュニケーションを積極的にしてくれるメンバーは新しいリスクや発見をもたらしてくれるので重宝されるという面もあります。

幅広い知見を活かした交渉力

また、交渉力もPMOに重要な要素です。
ただ状況をヒアリングするだけではなく、場合によってはスケジュールの組み換えやリソースの振分けといった調整が発生することもあります。
会話する前にどのような調整をしたいのかを考え、XXに影響が出るため、誰をいつまで〇〇チームに貸してほしい、など、なるべく調整してほしい内容を具体的に示すようにしなければいけません。
この交渉力においては、開発における豊富な経験が大事です。プログラミング年数というよりも、顧客折衝、要件定義、基本・詳細設計やテスト設計など幅広い業務経験です。一度経験していればどのチームが何をしていて、ある程度のリスクやそれかかる工数・リソースもわかるため交渉がし易くなります。
エンジニア時代ではプログラミングだけでなく小さな規模でも顧客折衝や設計に挑戦してみましょう。一人称で任されなくても補佐的に支援するというのもアリだと思います。

鬼に金棒の体系的な管理能力

体系的なプロジェクト管理を学ぶことも大事でしょう。
スケジュール管理・進捗管理・品質管理・リスク管理、、、PMOに求められる管理能力は山ほどありますが、PMOには幾つか取っておくといい資格があります。
例えば、『PMP』などがそれにあたるでしょう。
資格については、コチラで紹介しているのでご興味があればご覧ください。
ただし、あくまでも管理能力は総合的なスキルをかけ合わせたものなので、状況把握力・きめ細やかなコミュニケーション力・交渉力のどれかが欠けてしまうと現場では力不足です。体系的な管理能力は資格でも学ぶことはできますが、実践にはかないません。

顧客との信頼構築 でキャリアアップの道を切り開く

見落とされがちですが、信頼関係というのは非常に強固な武器になります。特にPMOへ挑戦したいフリーランスエンジニアには意識してほしいです。
信頼無くして現場でのスキルアップは見込めません。
正社員時代もそうだったかもしれませんが、上司や周りとの信頼関係を構築することで未経験の分野に挑戦できるケースが多いです。フリーランスはあくまで外注であり、発注する立場としては即戦力を希望するので「やったことはないけどやってみたい」というスタンスのエンジニアは基本的に採用しません。
その為、フリーランスというのはキャリアアップしにくいという性質を持ち、PMO案件へ参画したいSEは発注側からすればニーズが低いのです。
SEからPMO案件へ入るには2つの方法があります。

  1. 今の現場で信頼を構築し、PMOへ配置換えしてもらう
  2. PMO案件に強いエージェントを使う

まずは、①を試してみましょう。今の現場もしくは同顧客内でPMOのニーズがないか探ります。特に現場の責任者と仲良くなれば話を聞いてくれる場合があります。何度も言いますが、顧客の信頼は一番大切です。業務は期限を守り誠実に対応すること、コミュニケーションを怠らないこと、人間関係を大切にすること、また仲介に入っているエージェントにも丁寧に対応することです。
とはいっても①の都合がつかない場合が7割方だと思います。その場合は、②のPMO案件に強いエージェントを使いましょう。PMOに強いエージェントはPMOのスキル要素に詳しいため、例えあなたの最終役職がエンジニアだったとしても素養があるのか見極め、顧客へ上手くアピールしてくれます。①にしても②にしても、まずはあなたにPMOとしてのスキル素養があることが前提ですので、まずはそこから意識していきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。
PMOはプロジェクトの進行に重要な役割を果たすため、マルチな能力が求められます。
特にその中でも「状況把握力」「きめ細やかなコミュニケーション力」「交渉力」「体系的な管理能力」「顧客との信頼構築」の5つが大事です。
フリーランスになってからでもキャリアアップは可能です。

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