今や、世間ではスマートフォンが普及しており、わざわざパソコンを開いてブラウザで調べものをする、インターネットで買い物をするというよりも、スマートフォンアプリを利用して済ませている人が多いです。
最近では電子決済サービスなども多く活用されており、IT業界の成長に比例して、スマートフォンアプリの機能にも著しい成長が見えています。便利なスマートフォンアプリが時代を重ねるごとに多く出てきており、スマートデバイスエンジニアという職種については、開発需要も高く、案件数が多くなってきています。
その中で今回は、スマートデバイスエンジニアのなかでもiOSエンジニアにフォーカスして、単価相場や今後求められるスキルについて記事にしていますので、ご参考にしていただければと思います。

iOSエンジニアの業務内容

iOSエンジニアが対応する業務内容として大まかに3つあり、「iOSのアプリケーション開発」「アプリケーションの維持保守対応」「海外ドキュメントの整理、確認」などが挙げられます。こちらの3点について具体的な概要を記載します

iOSのアプリケーション開発

iOSアプリを開発しているフリーランスエンジニアの男性

iPhone/iPadなどのiOS端末のアプリケーション開発にはSwift、Objective-Cを使用し、iOSエンジニアとしては、システム設計やコーディングなどを実施します。
システム設計フェーズから参画する場合には、どのようなアプリが必要なのか・どのような機能が必要なのかなどをクライアントと共に設計をしていきます。
参画先によっては、必要なアプリや機能はイメージとして出来上がっていて、それを提供されるため、それをどのように実装するかを検討していくことになります。iOSに関する知見を有効活用し、適切なアプリケーション設計を実施することですね。このシステム設計の内容が、アプリの開発から動作までに大きな影響を与えるため重要な業務の一つとなります。小規模アプリ開発の場合には、設計から開発まで一人で対応することもあるため、責任感を強くもって業務従事する必要があります。
コーディングのフェーズから参画する場合には、指定されたiOSアプリの仕様書や、設計書を基に黙々とプログラミングをしていくことが主業務となります。コーディングは複数の人数構成で行う現場が多いですが、前述にも記載した通り、小規模のアプリ開発の場合、一人で開発をすることがあります。コーディング業務に付随して、基本的にテスト業務も発生します。現場によっては、テストベンダーに一括対応してもらうところもありますが、大抵のところはiOSエンジニアの方々が開発後の検証まで担当します。
規模の大きいiOSアプリの開発の場合、テスト件品質保証チームがあり、そちらでテストを実施することもありますが、開発担当者がテストまで出来るようにしておくことにより、テストチームとも円滑に業務を進められると思いますので、検証まで実施するものと考えておいた方が良いでしょう。

アプリケーションの維持保守対応

iOSアプリの開発テストが進み、リリースされることにより、様々なフィードバックが寄せられてきます。
「画面がちゃんと表示されない」「動作が重い」「ボタンが反応しない/うまく処理がされない」などが出てきます。このような状態では、アプリは快適に利用できず、ユーザー離れが起きてしまいます。そのため、iOSエンジニアがアプリケーションの改修を実施して、快適に利用できるようにする必要があります。
状況によりますが、バージョンアップのタイミングと併せて対応する場合と、即時に修正する場合があります。ここでは設計からやり直すことはほぼなく、コーディングとテストの実施がメインとなります。
また、フィードバックの中には、「こんな機能を追加して欲しい」などの要望も上がってきます。こういった要望も現場で判断の上、汲み取って新規機能の追加をしていきます。こちらも業務としては、コーディングとテストがメインにはなりますが、新機能なので、その部分についての設計を実施することもあります。先に記載した不具合に対するアプリケーションの維持業務と、新機能の開発を含む保守業務の対応もiOSエンジニアとしては、重要な役割となります。サービスインまでだけでなく、リリース後対応まで幅広く業務実施するため、やりがいもあり重要な役割と言えるでしょう。

海外ドキュメントの整理、確認

英語のブロック

iOSエンジニアとして、重要な業務の一つとして、海外ドキュメントの整理、確認があります。iOSに関連するドキュメント類は海外から公開されますので、そこで情報をキャッチする必要があります。iOSの開発に関わる知識は、Apple社の公式カンファレンスなどで公開されます。新製品の発表などをニュースなどで見たことがある方は多くいると思いますが、現在の機能のバージョンアップなどについても告知されています。iOSエンジニアはこれらの情報を速やかにキャッチし、アプリ開発の場ですぐに反映する必要があります。特にiOSのバージョンアップにより機能が変更されたり、廃止されたりする場合は、最優先事項として情報を得て、反映することが重要になります。もちろん、海外で公開された情報は日本語に翻訳されて国内向けに提供され、この情報を確認すればiOS開発に関わる基本的な情報を得ることができます。しかし、日本語に翻訳されるのは時間がかかります。最新の情報をタイムリーにスムーズに得るためには、海外ドキュメントを参照出来た方が良いです。また、多くはない例ですが、翻訳された日本語に誤りがあることも稀にあります。結局その際は、海外ドキュメントを確認するため、二度手間となってしまいます。やはり、はじめから海外ドキュメントを確認できる必要があります。尚、iOSのバージョンアップはそれなりの頻度で行われるため、以前のバージョンアップのものと混同することの無いように、しっかりと整理をしておく必要があるでしょう。

iOSエンジニアの今後求められるスキル

簡単にiOSエンジニアの業務内容を記載しましたが、これに対して今後求められるスキルとはどのようなものなのか、具体的に説明していきます。

iOSアプリのプログラミングスキル

具体的に必要となるスキルは「Objective-C」「Swift」の開発言語の2つです。iOSアプリの開発をするうえで、この2つのプログラミング言語を扱えれば問題ないでしょう。現状、iOSアプリの開発にはSwiftをメインの開発言語としている現場が多いので、Swiftの学習と経験を積んでいくことで、参画できる現場の選択肢は広がりやすくなると考えられます。

iOS独自の開発環境に適したスキル

Apple社が開発しているXcodeと呼ばれるツールを、iOSアプリの開発では利用することが多いです。Xcodeはコーディング作業の他、開発に利用するファイルの管理やコンパイル・ビルドなどが出来るものです。逆にXcodeを利用できないと、iOSアプリの開発をするうえで苦労してしまうため、このツールに関しては確実に身につけておく必要があるでしょう。

英語能力(最低限読み書きは必須)

iOSエンジニアには英語能力が必要になります。先の業務内容にも記載している通りですが、iOSの最新情報資料は大抵のものが、英語で公開されるためです。公式ドキュメントはもちろんのこと、カンファレンスは全て英語ですので、最低でも読み書きレベルの英語能力、欲を言えば聞き取りも出来ることが望ましいでしょう。iOSエンジニアが最新の機能を利用してアプリ開発をする際には、英語能力は必須となりますが、維持保守をメインに担当している方については、必須ではありません。ただ、今後維持保守対応だけでなく新規開発などをしていくことを目指すのであれば、今のうちに英語能力を身につけておきましょう。

iOSエンジニア案件の単価相場

お金のイラスト

iOSエンジニアの単価相場について、月額70~90万円程度がフリーランスの方々の平均単価です。しかし、あくまでも平均単価で週5常駐での最低単価は65万円、最高単価は90万円以上にもなります。(BTCエージェント運営事務局調べ:2020年1月時点)
iOSエンジニアのポジションは、昨今ではかなり需要の高いポジションです。IT業界は日々進歩していますので、開発する言語も年を重ねるごとに変わっていく可能性があります。日々の進歩に遅れをとることなく、トレンド技術の学習をし、経験を積んでいくことは非常に重要な要素です。最新のIT技術には常に耳を傾け、自身のスキル・知見として身につけていきましょう。これまでの経験にプラスして、最新技術の経験をしていくことで、月額報酬を上乗せしていくことができるはずです。

iOSエンジニア案件の単価一例

実際にiOSエンジニア向けの案件について、一例をお見せします。現在参画している案件と比較してみて、今後の単価交渉などのご参考にしていただければと思います。

【案件例①】
業種:ITサービス関連事業会社

内容:
アルバイト検索アプリのiOS開発の継続開発対応をメイン業務として実施。アルバイト募集アプリのリニューアル対応で要件定義からテストまで一貫して対応。

必要スキル:
Swiftでの開発経験2年以上、要件定義フェーズの業務参画経験、ドキュメント作成スキル、英語ドキュメントの読解能力

単価:~90万円

【案件例②】
業種:人材サービス関連事業会社

内容:
BtoC向けサイトのスマートフォンアプリ開発を主に担当。事業成長に伴い技術スタックもアップデートして、アプリ自体は数年前にサービスインしている状況で、サイトリニューアルも兼ねて開発をしていく。

必要スキル:
iOSアプリの開発経験3年以上、Swift5でのネイティブアプリ開発経験、アジャイル手法での開発経験、英語の読み書き能力

単価:~90万円

【案件例③】
業種:ITサービス関連事業会社

内容:
電子マネーアプリをサービス展開している事業会社にて、iOSネイティブアプリの開発を主に担当。アジャイル手法での開発を担当。

必要スキル:SwiftでのiOSアプリの設計・開発・テストの経験3年以上、英語能力

単価:~90万円

まとめ

海外ではもちろんのこと、日本国内ではiphoneの需要が高いこともあり、大手企業から中小企業まで多くの会社でiOSアプリが開発されています。つまるところ、iOSアプリの開発者を必要としている企業が多くあります。企業としては、正社員で採用できることが何よりではありますが、そこまで簡単に出来るものでもありません。即戦力で活躍できるフリーランスだからこそ、今この時代にiOS開発案件へ参画してみてはいかがでしょうか。ただ、iOSエンジニアという職種に関して、今はキラキラとした明るい職種ですが、いつ需要が少なくなるかは分かりません。日々技術は進化し続けているので、時代に沿ったスキルを身につけていく必要はあるでしょう。現状のスキルに慢心することなく、トレンド技術をタイムリーに身につけていくことで、現状も将来的にも活躍できるエンジニアとなるよう心掛けてみてください。

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