転職業界に限らず、IT系のフリーランス業界においても「IT資格」はIT人材の重要な評価基準になっています。特にITエンジニアにとって、資格を取ることで新しくチャレンジできる業務やポジションも多くあるでしょう。
2023年2月9日、大手IT研修提供企業である米グローバルナレッジが米国でのITスキルと給与調査データに基づいて算出した「稼げる認定資格 Top15 2023年版(15 Top-Paying Certifications for 2023)」を発表しました。
今回は、この調査結果からITエンジニアに有用な資格って何か?というのを考察していきたいと思います。
正社員・契約社員・フリーランスでもITエンジニアであれば、全員に共通することなので、是非気になる方は読み進めてください。

こんな方は読んでみよう!
 IT系のフリーランス及び正社員エンジニア
 IT資格の取得を検討している
 クラウドに興味がある


稼げるIT資格の順位結果

多くはクラウドとサイバーセキュリティ分野ですが、特にクラウドコンピューティング系の資格は15資格のうち3分の1を占めている為、今IT業界ではいかにクラウド人材の需要が高いかが見て取れるでしょう。
特にGCPは頭一つ抜けた平均給与となっており、それだけ人材も少ないということなのでしょう。

順位資格名平均給与 
1Google Cloud認定資格 – Professional Cloud Architect175,761ドル
2AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト149,446ドル
3公認情報セキュリティマネージャー(CISM)148,622ドル
4Certified in Risk and Information Systems Control(CRISC)146,480ドル
5公認情報システム監査人(CISA)132,278ドル
6Certified Kubernetes Administrator (CKA)130,327ドル
7プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)123,000ドル
8Certified Information Systems Security Professional(CISSP)120,552ドル
9Citrix Certified Professional – Virtualization(CCP-V)111,979ドル
10CCNP Routing and Switching106,071ドル
11Microsoft Certified: Azure Administrator Associate106,030ドル
12VMware Certified Professional 6 –Data Center Virtualization102,000ドル
13Microsoft Certified: Azure Fundamentals101,730ドル
14ITILファウンデーション88,420ドル
15AWS認定クラウドプラクティショナー85,8666ドル

日本でも価値のあるIT資格とは、どれをとるべき?

極論申し上げれば、どのIT資格でも十分に価値ありなのですが、そうしてしまうと話が終わってしまうので、フリーランスや転職において、“特に需要が高いIT資格”とは何か、個人的な見解になりますが述べさせていただきます。

第1位 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト

やはり筆頭はAWS系の資格でしょう。まず前提として、クラウド市場は今後数年もこのまま伸びていくと考えられます。国内規模では、約5兆円規模まで伸びていくことが想定されていますが、特に大手クラウド3社(Amazon、Google、Microsoft)がその大半を占めています。

AWSはGCP・Azureに比べ、サービス種類が豊富であることから、いつでも即座に柔軟に対応できるという大きなメリットがあります。そのため、2021年時点では国内だけでなく全世界でシェアNo1です。非常に需要が高いので、取得するとITエンジニアとしての価値が上がると言っても大げさではないでしょう。

第2位 Microsoft Certified: Azure Fundamentals

AzureはMicrosoft社が提供する既存サービスとの連携・移行がスムーズであることから、既に導入している企業にとっては利用しやすいという利点があります。また、金融・航空・電力業界に強みがあり、「国内パブリッククラウド市場において、リーディングシェア取得を目指す」と公言していることから、取得に向け努力に値するIT資格といえると思います。IT人材業界でも「Azureの需要が増えた」と認知されているのではないでしょうか。

第3位 Google Cloud認定資格 – Professional Cloud Architect

正直、AWS・Azureとの比較で非常に迷いましたが、第3位としました。GCPはデータ分析や機械学習系の最先端技術です。その為、AI・機械学習の需要と共に確実にGCPの価値も上がっていくということが考えられます。

ただし、日本語情報が少なく、対応できる範囲がAWSに比べ限定的であることからそもそも導入する企業もやや少なくなります。単純に「年収を上げる」といった目的であれば有利だと思いますが、AWS・Azureに比べ一般的ではないという点から第3位としました。

AI業界動向にはこちらの記事があるので、合わせてご確認下さい。

セキュリティ系の資格はクラウド系よりも劣る?

もちろん、そんなことはありません。私が順位に入れなかったIT資格も充分に価値があり転職やフリーランスに有利であることは間違いないでしょう。ただ、クラウド業界に比べるとやや市場規模が小さく、セキュリティエンジニアよりもクラウドエンジニアの方が、企業需要が高い為、順位外としました。PMPはマネジメント系の資格なので、少々毛色が違うのですが、今後高年収を目指すITコンサルタントにとっては取っておきたい資格といっても良いと思います。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

クラウド業界は今後数年安泰といえるので今のうちの取得をお勧めします。またコロナによりリモートが増えたことからセキュリティ分野にも追い風がきています。
IT資格はIT業界動向によって、価値が変動するので、タイムリーに取得していくことが大切です。折角頑張るなら趣向や将来のキャリアに向けて、よく考えたうえで取得に努めましょう。

それでは、読者の皆様がよりハイスキルなITエンジニアになれることを願っております!