今回はフリーランスエンジニアからITコンサルタントとして活躍していきたいと考えている方向けに、その方法やノウハウを実現した方からインタビューしました。
今回お話を聞かせて頂いたのは、元SIer出身で現在はITコンサルタントとしてご活躍頂いている太田健司(仮名)さんです。
ITコンサルタントへのキャリアアップを望んでいる方は、ぜひご一読ください。

プロフィール

氏名:太田健司(仮名)33歳男性
大学:国立 数理学部
職務経歴:大学卒業後、中堅SIerにて大手小売業のプロジェクトに2年程エンジニアとして従事した後、大手商社や大手製造業の基幹システム構築に5年間携わる。その5年間メンバーという立ち位置でありながら、PMのサポートや、クライアントの対応もすることで評価され、その後2年間は大手メーカーの基幹システム再構築プロジェクトにて、PM/プロジェクトリーダーとして活躍する。2018年からフリーランスへ転身し、現在は大手小売企業の基幹システム大規模リニューアルプロジェクトにてITコンサルタントとして従事する。

ITコンサルタントの仕事と領域

これフリ佐々木これフリ佐々木

太田さん、いつもお世話になっております。
本日はフリーランスになってからキャリアアップされた太田さんにどのようにエンジニアからITコンサルタントにキャリア形成されたのかお伺いできればと思います。
システムエンジニアやPM/プロジェクトリーダーなどの業務とITコンサルタントでは、仕事の領域や実際に発揮するパフォーマンスが全く違うものと思いますが、ITコンサルタントとはどのような仕事をするのか経験をもとに教えてください。

太田さん太田さん

お世話になっております。本日はよろしくお願いいたします。
おっしゃる通り、システムエンジニアやPM/プロジェクトリーダーといった業務と、ITコンサルタントの業務では、仕事の領域などは違います。 PMやプロジェクトリーダーはクライアントと接して、メンバーの管理などをしながら、遅延の無いようプロジェクトを円滑に回していきます。システムエンジニアはPM/プロジェクトリーダーの指示のもと、一開発者として手を動かすイメージです。
一方で、ITコンサルタントは、クライアントの立ち位置で「課題」「リスク」「メリット」「デメリット」などを一緒に考え、解決し、プロジェクトを成功に導かなければならないというミッションがあります。その為、エンジニアのように用意されたプロジェクトをどう回していくかではなく、もっと上流のそもそもクライアントの課題解決にはどんな処置が必要なのかを考える立場だと思っています。
ツール一つの選定にも、どういったパッケージを導入するかも、どのベンダーを使うかの選定も、一つひとつ、冷静かつ慎重に、とはいえスピーディに物事を進めていかなければなりません。また、何か一つを選ぶにしても、どういった理由でその一つを選ぶのか、クライアントを納得させる根拠付けみたいなものも必要で、ロジカルに説明できる能力が問われますね。

元エンジニアが感じたITコンサルタントとのギャップ

これフリ佐々木これフリ佐々木

前職時代の経験では、どちらかというとベンダー側でエンジニア寄りの業務がメインで、ITコンサルタントとはどのようなギャップがありましたか?

太田さん太田さん

スコープの広さと課題解決力にギャップを感じました。
ベンダーエンジニアはパッケージなどの自社製品には詳しいのでプロジェクトでその製品が採用されれば、一定のバリューを出すことはできますが、スコープが限られている為、顧客の根本的な課題解決にはなりづらいです。
コンサルタントの本質は「顧客の課題をいかに解決できるか」なので、思考がエンジニアのままだと、知識はあっても期待に応えられないことがあります。
特にコンサルタントになってからは、製品やソリューションに依存しない提案をしていかなければいけないと考えるようになりました。このギャップを埋めるには、エンジニア時代に色々なプロジェクトを経験していくことが大切で、例えば単純な開発運用案件だけではなく(もちろん、運用規定などの理解を深めるのも大事だが)新規開発などのキックオフを伴うプロジェクトなど様々な案件に入っておいた方がいいと思います。それでも足りない部分はあると思うので、それは実際にコンサルタントとして現場で体験し、経験値をためていくことが必要です。
環境的にずっと同じプロジェクトにしか入れないのだとすれば、転職するか異動願いをするか自分で行動していかないといけません。とにかく「待ち」にならない姿勢が不可欠でした。

ITコンサルタントに求められる能力とは

これフリ佐々木これフリ佐々木

ずばりITコンサルタントには何が必要で、どんな能力が求められているのでしょうか。

太田さん太田さん

ITコンサルタントといっても専門分野があるのでプロジェクトごとにゴールが違うのは当たり前だと思いますが、やはり前提になければいけない能力としては論理的思考とそれを他者にアウトプットできるプレゼン力・コミュニケーション力だと思います。その上に専門的なIT知見があることでITコンサルタントと名乗れます。
特に私の場合、プレゼンテーションにおけるドキュメントの質と量にはとても苦労しました。 例えば案件を取りに行く場合、決裁者にITの知見があるとは限らないわけですから、我々元エンジニアの公用語が通用しないこともあり、それをわかりやすくPowerPointやWord等におこして、説明しなければいけません。 外資ファーム出身のコンサルタントの方はその能力が非常に優れていて、よく勉強させていただいてました。 とにかく時間を使って、量をこなし、スキルを磨いていきましたね。イマドキではないかもしれませんが、泥臭く仕事の合間や就業後もPCをパチパチうってました(笑)
コミュニケーションの取り方も慎重になりました。ITコンサルタントは極論セールスなので、顧客の顔色をうかがえることも大事な能力の一つだと思います。 職人気質が強くて、このやり方でなければいけないという価値観を持ってしまっている方の場合、ITコンサルタントには、向いていないなと思います。


ITコンサルタントを目指す方に向けて

これフリ佐々木これフリ佐々木

現エンジニアでフリーランスの場合でも、ITコンサルタントへのキャリアアップは可能だと思いますか?

太田さん太田さん

頑張れば可能だと思います。
私の体験談でお話したようにかなり苦労されると思います。正社員のうちに少なくともプロジェクトマネージャーくらいは経験してからフリーランスになったほうがいいです。 あと、もしキャリアアップを希望されるならプライベートの充実できないものと考えたほうがよくて、ITコンサルタントの性質上それは中々両立できませんし、皆さんの印象ほどスマートな職業ではありません。
恐らく一番の壁である論理的思考に関しては、書籍も多数販売しているので毎日読み込んで新鮮な考え方を取り込んでいくのが良いと思います。最初は頭が痛くなりますが、慣れてくると頭が良くなった気がして楽しいですよ(笑)

これフリ佐々木これフリ佐々木

太田さん、本日は誠にありがとうございました!

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