ご覧いただいている方のほとんどは、

終身雇用は崩壊するのかな?

正社員が安全じゃなくなったって本当?

など将来に不安を感じている方だと思います。

今回は、そういった疑問に率直にお答えするのと同時に、終身雇用崩壊までの対策についても軽く触れていきたいと思います。是非ご一読ください。

終身雇用制度とは

終身雇用制度とは、企業が社員を定年まで雇用する制度のことを言います。新卒の22歳で入社した場合、定年は65歳ですから実に43年間雇用するということになります。

もしその社員の生涯年収が年平均500万円だとすれば、1人を雇うのに人件費だけで2億円以上が将来的にかかってくることを意味するのです。

大企業は100人単位で新卒を採用することも珍しくないので、そう考えるととてつもない金額になりますね。

終身雇用は「まだ」崩壊していない

実はまだ日本の長期雇用は世界トップレベルだといえます。2012年の資料ですが、厚生労働省の「日本的雇用システムと今後の課題 第2節」によると“日本やフランス、ドイツ、イタリアなどの大陸ヨーロッパ諸国では、10年以上の労働者が 4 ~ 5 割を占め、 3年未満の労働者は 1 ~ 2 割強という長期雇用の慣行がある社会と考えられる。”と記載があります。

また、少し新しい2016年の資料(厚生労働省:我が国の構造問題・雇用慣行等について)によると若年時に入社した人材(生え抜き社員)の約5割はまだ勤め続けていると調査結果を出しています。ただ、やはり長期的にみれば長期雇用制度は低下傾向にあるとも言及しています。

それでも終身雇用が保証できない理由

“今”はまだ長期雇用が主流の日本ですが、それが保証できない理由があります。詳しく見ていきましょう。

非正規社員が増えている

総務省統計局の「統計が語る平成のあゆみ」によると、非正規社員は平成元年~平成30年の間で817万人から2,117万人へと急増しました。

このように高まる雇用不安から、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「第7回勤労生活に関する調査」では、終身雇用を支持するという割合は過去最高の87.9%を出しています。ポジティブに解釈すれば、皆が終身雇用を希望しているのならば、今後もそのままではないかという考えもありますが、そうなくなりつつあるというのが事実あります。

「ずっとその会社にいたい」という思考そのものがなくなりつつある

日本の転職者は2008年のリーマンショックから2010年にかけて減少していましたが、その後徐々に増加傾向にあり、2019年に351万人とピークを迎えました。

更に、某大手転職サイトによると転職についてポジティブに考えているかというアンケートにで、ポジティブな印象を持っているのが53.1%だったのに対し、ガティブの印象を持っているのは全体の14.3%という調査結果もあります。

キャリアアップしたい、独立したいという思いが強くなっている時代の背景があるのだと思います。

ビジネスモデルの短命化

有力な資料で言えば、InnosightがS&P500に選出されていた企業の半分が15年で転落したというデータを発表しています。

ちなみにS&P500とは、アメリカの優良企業トップ500社を選出したものであり、1970年代はこれに選ばれると30‐35年は安泰と言われていました。

しかし、IT技術の発展が目覚ましい現代では、ビジネスが加速すると言われており、1つのビジネスモデルではこれまでと同じように20年30年と安定のポジションをとることができません。

更に言えば、ビジネスモデルが変われば必要な人・スキルも変わってきます。

その為、1人を囲い込むような終身雇用制度はアンマッチになりつつあります。

日本大手企業が終身雇用に後ろ向き

2019年にトヨタ社長が「終身雇用難しい」と発言したのは記憶に新しいかもしれません。

この発言には“働かない50代”を問題視しているという背景もあり、そういったパフォーマンスの悪い人材をいつまでも雇えないよ、という意味合いも込めてだったのかもしれません。

また、経団連の中西宏明会長も「もう守れないと思っている」などという発言されています。

実際に、電通やタニタが社員の個人事業主化を行うなど、各業界大手を中心に雇用の見直しが起きています。

企業はコロナ禍で内製化の難しさと外注の便利さを知った

コロナ禍によって、固定費(賃貸料・人件費・その他設備など)に焦点があてられ、柔軟な経営手法が求められるようになりました。

多くの企業で、内製化のメリットを理解しつつもデメリットに目がいく結果となったと思います。

固定費は経営にはリスクで、リモートワークができるようになった現代では外注もしやすくなりました。※セキュリティの問題はありますが、いずれ技術が解決してくれるでしょう。

その為、終身雇用を前提の人材採用はリスクと判断する企業も増えていくのではないでしょうか。

終身雇用崩壊に備える3つのこと

それでは、一般の会社員は終身雇用が本格的になくなったと実感できるまでの間、どういった対策ができるのか解説していきたいと思います。

スペシャリストになる

まずは、特定の分野で誰にも負けないという専門性のあるスキルを身に付けなくてはいけません。例えば、ITエンジニアのプログラミングなどです。
今後AIが発展していくため、ホワイトカラーの仕事でスペシャリストになるというのはNGです。例えば、印刷して製本するスピードを身に着けて、、、なんていうスキルは機械に仕事を奪われてしまいます。

まさに人間にしかできない仕事に焦点を絞ってスペシャリストになりましょう。

ポータブルスキルを身に着ける

ポータブルスキルとは、どこに行っても通用する能力を指します。

例えば、文章作成力・会話力(コミュニケーション)・ファシリテーション力・プレゼン力などなど、どの会社でも汎用的に使えるスキルです。

例えば、スペシャリストでなくともポータブルスキルで働く力・キャッチアップする姿勢を見せることができるので、どの会社でも活躍できるようになるかもしれません。

フリーランスとして、“個“で生きる力をつける

最後は、フリーランスになって今のうちに先行者利益を得ることです。

長期雇用の保証はない・会社員が安全とは限らない・給料も多くはない場合、将来的に正社員のメリットはあまりないかもしれません。

現在、フリーランスの需要は高く、フリーランスに転身される方も少ない為、正社員時代の2-3倍の収入を期待できます。

もし、あなたがITエンジニア・ITコンサルタントなのであれば、是非フリーランスになって今のうちに高収入を得ることをお勧めいたします。