フリーランスエンジニアとして働くにあたり、仕事の探し方は2つあります。

一つは自力でクライアントを見つけ仕事を受注するという方法と、もう一つはフリーランスエンジニア向けのエージェントに登録して、仕事を探してもらう方法です。

フリーランスエンジニアになりたての時は、エージェントを介して仕事を紹介してもらうのが一般的ではありますが、なるべく仲介手数料をとられずに手取りを上げたいと考える方も多いと思います。

しかし、フリーランスエンジニアとして働き始めたばかりで何もツテやコネクションがない状態でクライアントから仕事を受注するのは簡単なことではありません。

また、クライアントが見つかったとしても、知識がない状態で契約してしまうと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるので、エージェントの活用意義を理解しておく必要があります。

今回は、エージェントを介する意味があるのか疑問をお持ちの方に向け、エージェントの役割や、仲介手数料の内訳を解説します。

エージェントの仕組み

フリーランスエンジニアのエージェントは、企業とフリーランスの間にたって、営業代行や案件紹介などを行っています。企業から受注した仕事をフリーランスに紹介し、契約となった場合はクライアントから報酬を受け取りますが、そのうちの5~20%が仲介手数料(エージェントにより異なる)となり、エージェントの収益となります。

エージェントがただ間にたっているだけであれば、クライアントと直で契約したほうが仲介手数料を支払う必要はないのではないか、と考える方もいますが、逆に言えば仲介手数料を支払うだけで、様々なサポートが受けられるのです。

仲介手数料の使い道とは?

では、その仲介手数料でエージェントがどのようなサポートを行っているのかというと、主には下記の仕事をしています。

  • 営業代行
  • 業務内容確認
  • 契約書作成などの事務対応
  • トラブル対応
  • 定期的なフォローアップ

営業代行

エージェントに登録をする際に、自分のスキルや経験を記した業務経歴書を提出します。その業務経歴書と、希望する条件をもとにエージェントが見合う案件を探します。エージェントは数ある企業と繋がりがあるため、自分ひとりで探すよりも多くの選択肢を持つことができます。また、魅力的な案件ではあるけど条件を交渉したいときなど、エージェントが間にたって調整をしてくれるので、あまり時間や労力をかけずに仕事を始めることができます。もし参画している案件の終了が確定したとしても、希望すれば次の案件を探してもらうことも可能です。

自分ひとりで営業から始めるとなると、企業への売り込みやポートフォリオ作成など大量の工数をとられます。いち早く軌道にのるためにも、エージェントの活用は検討してみましょう。

業務内容確認

業務内容確認とは「どこまで業務が終わったか」「次はどんな業務をしてほしい」というような契約者同士で確認し合う場を指します。名称はエージェントごとで異なるかもしれませんが、弊社では業務内容確認と呼んでいます。

もしかしたら、これは行っていないエージェントが多いかもしれません。その場合は注意が必要です。基本的に業務委託契約は指示命令系統を商流に沿って行わなければいけません。つまり、エージェントが業務を委託しているエンジニアの業務内容を知らないということはおかしな話なのです。適切に業務委託契約を運用するということは、リスク回避に繋がります。どういったリスクがあるのかはここでは割愛しますが、もしあなたのエージェントが行っていなかった場合、エージェントの乗り換えを検討することをお勧めします。

契約書作成などの事務対応

フリーランスになると、今まで会社がやってくれていた事務対応をすべて自分で行わなければいけません。契約書の内容確認から請求書の作成などやることは様々です。

初めての契約書内容確認となると、何に注意して確認すればいいのか分からないことも多いでしょう。中にはグレーな内容を契約させられてしまう場合もあるかもしれません。エージェント経由であれば、クライアントからそういった内容の契約が来た場合精査した上でフリーランスの方にお渡ししているので、安心感があります。

※もちろんエージェントから来た契約書もご自身で確認は必要です。

こちらの記事を参考にしてみてください。

トラブル対応

業務を遂行していくなかで、何かしらのトラブルが起きた場合はエージェントが間にはいって調整を進めていきます。

クライアント対フリーランスという当人同士の話し合いだとこじれてしまう可能性もありますが、ここでエージェントという第三者が介入することによって、スムーズに問題解決に事を運ぶことができます。何か問題が起きそう、という場合はことが大きくなる前にエージェントに相談して火消しをしてもらうということも大切です。

定期的なフォローアップ

期間の長い案件に参画していると、定期的なフォローアップもエージェントが実施します。クライアントといい関係を持続していくために、どのような評価をされているのか、今後の見通しなどエージェントが橋渡し役となり状況確認などを行います。また、次の案件を探したいという希望があれば、職務経歴書のブラッシュアップなどのフォローをしてくれるところもあるので、エージェントは是非活用していきましょう。

このように、エージェントの役割は案件紹介以外にも様々あります。それなりにコストがかかるものとなっており、仲介手数料はここでの人件費や経費に使われます。

エージェントを介するメリット

エージェントのサービスを受けられる、というのも大きなメリットですが、それ以外にもエージェントを介するメリットは存在します。

まず、クライアント視点で考えてみると、フリーランスが一人で企業に売り込みにいっても取り合ってもらえないケースがございます。フリーランスエンジニアを探している多くの企業は、基本的にはエージェントに声をかけて人を探しています。というのも、企業としてまったく接点のないフリーランスというのは信頼を持ちづらく、業務を委託して問題ない人物なのか、きちんと業務を遂行できるのか判断に迷うところがございます。

エージェントであれば、会社対会社なのである程度信頼性はあり、発注するハードルは低くなります。なおかつ既に実績のある取引先であれば継続的に案件を発注するケースも多くなり、自然にエージェントに案件が集まるようになります。エージェントを通すことで、フリーランス自身も信頼性のある発注先と認識されるということです。

エージェントはフリーランスだけではなく、クライアントの立場を守る役割も担っており、問題なく取引を終えられるように仲介をしています。

まとめ

今回は仲介手数料とその手数料で提供しているサポートついてご紹介しました。

中抜きされているなどの意識があり、仲介手数料にはあまりいいイメージがないかもしれませんが、様々なサポートや、何かあった時の保険としてエージェントを活用するというのはとても堅実的だと考えられます。エージェント利用に不安感をお持ちの方も、仲介手数料がどのようなことに使われていて、どのようなサービスが受けられるのかなどしっかりと把握することによって、安心してエージェントを利用できるかと思うので、是非検討してみてください。